バーリ
バリ(もとはローマ時代の港)は、しばしばプーリアの実務的な首都として受け取られる。イタリアの“見せる”都市ほど磨き上げられてはいないが、アドリア海への働く玄関口として静かな確かさがある。到着の感触は海港らしく率直だ——海沿いの強い光、フェリー、交通——その直後、旧市街の淡い石の路地へと急に圧縮され、日々の暮らしが壁際すれすれに流れていく。水辺ではカステッロ・スヴェーヴォが厳しい句読点のように立ち、街を航路に開きつつも、それに目を光らせる場所として感じさせる。
南イタリアで権力が交替するたび、バリのアイデンティティは商いと同じくらい統制によって形づくられてきた。城のノルマン起源と、のちにフリードリヒ2世のもとで再建された経緯は、いまも誇示ではなく権威の建築として読める。今日のバリは港湾労働、行政、そして一定の来訪者の流れを均衡させながら、舞台装置にはならない。路上の社交性が支配的な質感であり、食は率直で飾り気のない味へと傾く。展示に使われる城の中庭やヴォールト天井の部屋では、バリの重層的な過去が壁の内側に封じられるのではなく、いまも循環し続けている。
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