オクシタニア
オクシタニアはフランス南部に広がり、山地・平野・地中海沿岸が交わる広大な文化的景観として、歴史的には北部よりも自らの内部との結びつきが強い地域を形づくってきた。そのアイデンティティは、都市ネットワークとラテン語を根づかせた初期のローマ統合から生まれ、のちにオック語へと展開していく。西ローマ帝国が5世紀に崩壊すると、この地域は封建領主制の諸勢力へと分裂したが、11〜12世紀にはトルバドゥールの伝統と比較的開かれた都市生活を通じて、中世ヨーロッパでも屈指の洗練された文化を育んだ。この自治はアルビジョワ十字軍(1209〜29)によって決定的に断ち切られる。フランス北部の勢力がカタリ派の影響を受けた南部を服属させ、拡大するフランス王権へ組み込み、中央集権的君主制の軌道へと移したのである。
今日のオクシタニアは、行政単位としてというより、ラングドックやプロヴァンスといった現代の地域に重なり合う文化的記憶として存続している。この歴史的な断片化は、言語復興、地域の誇り、そして独特の南方的気質として表れる、拡散しつつも持続するアイデンティティを説明する。経済は多様で、農業、ワイン生産、観光に加え、トゥールーズやモンペリエのような成長する都市中心を併せ持つ一方、沿岸部と内陸部の格差はなお残る。かつて支配的だったオック語はいまや象徴的な役割を担い、祭りや土地の伝統、オリーブオイルとワイン、地中海の産物に根ざした食文化は、過去との連続性を映し出す。この地域に持続する緊張は、文化的独自性とフランス国家への統合のあいだにあり、その均衡が今も性格を規定している。