聖アントニウスの誘惑

聖アントニウスの誘惑

302
『聖アントニウスの誘惑』(16世紀)は、ヒエロニムス・ボスが追随者たちに与えた影響を示している。中世からルネサンス美術で繰り返し扱われた主題である、隠修士・大アントニウスの霊的試練を描く。聖人を取り囲む悪魔たちを配したシュルレアリスム的でグロテスクな様式は、精神的・心理的苦悩の表現におけるボスの影響を端的に物語り、善と悪の闘争への当時の関心を浮かび上がらせる。