モスクワ
モスクワ(創建は12世紀)は、ロシアの強大な重心である。文化的な重みゆえに敬意を集め、象徴性をめぐっては争われ、そのスケールは否応なく目に入る。権威を投影するために設計された都市として立ち現れ、広い大通りと記念碑的なシルエットが、古い路地や中庭、ふいに現れる静けさの小さな空間によって切り分けられている。クレムリンと赤の広場は、絵葉書の景色というより国家性の「稼働する」象徴として国民的想像力に位置づけられ、実用性と劇場性を併せ持つモスクワ地下鉄は、日々の移動を市民的な儀礼へと変える。
中世の公国、帝国の首都、革命、そしてソ連の世紀という決定的な層は、修道院や城壁から壮大なアンサンブル、厳格な住宅地区に至るまで、建築化された都市のなかにいまも読み取れる。今日のテンポの多くは政治と金融が定めるが、劇場、美術館、コンサートホールといった文化機関が、芸術を日常のすぐそばに保ち、都市が自らを語る方法を形づくっている。モスクワっ子はきびきびとして率直だと受け取られがちだが、帰属のルーティンには忠実である。食もその感覚に沿い、温かさと腹持ちのよさを好み、現代の外食は洗練を加えつつも、地に足のついた味を押しのけない。
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