ギノサール・キブツ
キブツ・ギノサール(1937年創設)はガリラヤ湖の西岸に位置する。イスラエルの人々がここを開拓期の集団主義の記憶を通して読むことが多い一方で、訪れる人々の多くは、この地域にまとわりつく宗教的・歴史的連想をすでに胸に抱いてやって来る。第一印象は節度があり、手入れが行き届いている。果樹園と畑、低い共同施設の建物、そして広く明るい湖岸線。風景は重みを帯びながらも、作り物めいてはいない。
キブツはいまも共同労働と農業の痕跡を保ちつつ、絶え間ない旅行者の流れを受け入れている。関心の多くが集まるのはイガル・アロン博物館で、そこで「イエスの舟」と呼ばれる、1980年代に湖底の泥から引き上げられた1世紀の漁船が、土地の物語を触れられるほど具体的で日常的なものへと結びつけている。間近に見ると、それは見世物というより、古代の日々の暮らしへ通じる稀少な物質的連関として立ち現れ、ギノサールを特徴づける対比を際立たせる。すなわち、古い意味が濃密に沈殿する水辺に寄り添う、現代の働く共同体である。
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